- 2014-7-3
- お仕事・就職, ビジネス, 生き物, 自然界に学ぶ成功パターン
虫で稼いだ産業のトップと言えば多分製糸業を置いては
外にないでしょう。
2014年に富岡製糸場が世界遺産に登録が
決定したそうですが、その元はやはり虫です。
何しろ昭和の前半頃までは化学繊維がまだなくて
生糸=絹糸、綿糸、麻糸などで衣類の布を
織っていたと言うのです。
その内でも生糸はカイコという蛾の繭を原料にして
作るんですから。
その繭っていう物を良く見れば、確かに
繊維みたいなのを抜いてよっぽどたくさんより合わせれば
糸が作れなくもないようにも見えます。
でももし道端で木に付いている繭を1個見つけたとしても
まさかそこから糸を作ろうとか、更に布にまでしようとか、
普通はあまり考えません。
しかし、世界のどこかの誰かがきっとそれを
執念で実現したんでしょうか。
よくぞそこまでやれたもんだと感心します。
でも、その為にはカイコという蛾の幼虫を
大量に飼育して大量の繭を作らせなければ
ならない訳です。
その飼育の方法まで開発したという事になります。
生糸の時代にはカイコの幼虫を家の中で飼育していたので、
エサをかじる音が夜でも聞こえたんだそうです。
エサは桑の葉なので、農家の畑に桑の木を
たくさん植えてあったようです。
「♪ 山の畑の桑の実を小かごに摘んだはまぼろしか」
っていうのがその桑の実です。
桑の実は今でもブルーベリーみたいでおいしいですが。
化学繊維が普及するまではカイコを飼育する養蚕が
農家の収入源にもなり、生糸の生産は
1つの産業だったようです。
農家では「おカイコ様」と呼んでありがたく
飼育したようでもあります。
しかし、とにかく迷惑なのはカイコの方です
虫なんだけど生き物なので、人間の都合で飼育されて
いいように使われて殺されて・・・。
せっかくエサを毎日食べて大きくなって
繭の中でサナギになったところで
繭を横取りされるんですからね。
本当に人間て何でも搾取してますね。
そのサナギも人間の食べ物としても売られて
ちょっとかりん糖みたいな味で
栄養もありそうですが。
魚のエサとしても売られてました。
だから製糸場という所はカイコという虫がいなけりゃ
なーーーんにもできなかったんです。
富岡製糸場が世界遺産になれた元は
100%全部がカイコのお陰なんです!
人間の功績ばかりが報道されがちですが、
それをぽーっと鵜呑みにせずに
色んな観点から考えなければなりません。
そして、こういう産業は成功したと見るのか
成功ではないと見るのか
その点も意見が分かれるのかも知れません。
そういう総合的な判断能力を10~20代の内に
身に付けて欲しいものです。
尚、写真は下記より引用しました。
http://www.yunphoto.net/jp.k/w48/php/photobase/yp7883.php